TU-8300改造、TANGOトランスに換装、UL接続と3結を切り替え可能に
TU-8300の特長として市販のトランスとの交換ができるという仕様があります。エレキットが本格オーディオという切り口で弱点と指摘されていたところは有名なトランスを使っていないことでした。
イーケイジャパンでは「良い悪いではなく個性が異なる」と言っています。確かに真空管シングルアンプは現在のレベルで言えばけっして理想的なものではなく相性も有り、物理特製や理論では詰め切れないところがあります。
好き好きもありますが、過去より著名なトランスはありましたが現在手に入るものは非常に限られています。
今回選定したTANGO製品は60~70年代の真空管時代には正直一流品という認識はされていませんで、しかし今日まで残るところでは会社は変わりましたがやはりTANGOブランドである訳です。
ということで、シングルアンプでは定番のU-808に交換!
職場が秋葉原ですが重いのでノグチトランスの通販を利用。
2本で送料込みで2万8千円ほど。
U-808は付属同様、立ち型4点止めながら端子方式。
まず、リード線の取り付けから。
UL規格の耐熱電線、太さは付属のものより太い#20(AWG20)を採用付属のものと似た色使いで。
取り付けは2枚の板金を開いて取り付け、トランスは板金の穴を通してナット止めになります。こうしてサイズや構造の異なるトランスへの変更が可能になります。
U-808はGS端子つきですので、3結⇔UL(ウルトラリニア)をスイッチで切り替えできるようにしました。
トランスも大きく、グレーの塗装で大きくなりました。先日の改造の電源トランスカバーをダークグレーに塗り替えました。
U-808に換装することで、あきらかに音にゆとり出て、着色感も減り、音の透明度は増しました。
U-808のSG端子を利用したウルトラリニア接続と3極管接続の切り替えスイッチを設けることで音の違いを楽しむことができます。
TU-879R/SやTU-883LEなどのビーム管の味を活かした個性豊かなサウンドに比べると3極管接続は出力も落ち、出力管によっては優等生的でつまらなくなってしまう場合もありますが、ウルトラリニア接続ではそのあたりが変わってきます。
早速各種出力管で試聴をしたところ
1)ウルトラリニア接続の音が好ましかったもの
TUNGーSOL 6550
3結に比べだんぜん、生き生きしてくる
GEC KT-66
差は小さいけれど、3結にくらべピアノなどが前に出てくる。
2)3結の音が好ましかったもの
ムラード EL-34
音の透明度が高くとても自然
フィリップス 350B (USA製)
25秒のスタートアップでも音が出ないほど、ヒートアップに時間がかかります。言われているようにこの球の3結は綺麗な音がします。
3)両者にそれぞれ特長があってサウンドを楽しめる、両方良い
ゴールド・ライオンKT-88
ダイナミックなUL接続、雰囲気のある3結。
ということで、出力トランスをタンゴU-808に換装し、さらにUL接続改造してビーム管の魅力を発揮できるところもこのTU-8300の発展の魅了でしょう。
各出力管の説明はホームページのこちらもごらんください。
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コメント
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TU-8300のボリュームを変更し200Vで使用しています。
懐かしの宝箱を拝見してトランスの交換とウルトラリニア接続に強い興味を持ちました。
XE-20Sでウルトラリニア接続をしたいのですが配線場所や仕組みが全く解りません。
大変恐縮ですが配線方法を教えて頂くことは出来ないでしょうか。
技量はエレキットの組み立て説明書を見ながら間違いなく組み立てられる程度で配線図面は読めません。
お手数をおかけして申し訳ございませんが何卒ご教授お願い致します。
投稿: superHL5 | 2010年9月29日 (水) 18時40分
はじめまして。こんばんは mtomisanのページを拝見しtu8300を作成しました。u808トランスを購入したものの販売店の人に問い合わせたところ、位相がちがうとスピーカーが壊れるとか脅しのコメントをするだけで、どうつないだらいいか教えてくれません。そこで御尋ねしたのはもともとついていたトランスのコードとu808のどこが対応するかです。 mtomisanの写真を拝見すると、トランスの①に対応するのが黒、③が緑、④がグレー、⑥(Bと記号があります)が赤、⑧(Pとあります)が茶色
(基盤のオレンジ?)に見えます。 小生は6Ωのスピーカーを使っています。
投稿: meichan | 2010年11月 1日 (月) 22時59分
メールにてお答え致しました。
投稿: 初恋天使 | 2010年11月 2日 (火) 07時49分
はじめまして。
突然のメールで失礼します。
2009年にTU-8300を入手しましたが、昨年末にようやく作成しました。
私もUL接続に興味がありますが、いかんせん知識がありません。
大変申し訳ありませんが、貴殿の改造をご教授願えませんでしょうか?
対象トランスはXE-20Sを目論んでいますが、まだ未入手です。
わがままを申しますが、よろしくお願いします。
投稿: ぐりぐら | 2013年1月19日 (土) 08時44分
はじめまして。先日組み立て済みのTU-8300を入手し関連記事を探していてこのサイトを発見しました。この中のトランス換装とUL接続の記事を読み、できることなら挑戦してみたいと思っています。トランスはイチカワのITS-20Wで考えています(U808は手に入りにくいしお高いので)。
切り替えスイッチの定格や配線方法など大変恐縮ですが教えて頂くことは出来ないでしょうか。
これまでにはエレキットのキットを4台ほど作った経験しかありません。配線図にはあまり自信はありません。
お手数をおかけして申し訳ございませんが何卒ご教授お願い致します。
投稿: TUBE LOVER | 2018年12月30日 (日) 05時53分
書込みありがとうございます。
メールでお答えすることが多いのですが、他に参考になる方もおられると思いますのでここに書きこんでおきます。
メーカーが見ていたのか判りませんが後続のTU-8200では切替式になりました。これを参考にするとスイッチ切替ではなく、基板上のジャンパーです。スイッチ化し通電中の切替はしない事の注意があったと思います。これが参考になるでしょう。
スクリーングリッド電流はスイッチにとって大きいものではないですし、通電中の切替はしないのであればスイッチ接点の規格よりはスイッチ自体の絶縁電圧になると思っています。
以前、この件については配線などの資料を御分けした記憶があるので調べてみたいと思います。少々お時間をください。
投稿: 初恋天使(管理人) | 2018年12月30日 (日) 08時23分
以前、改造キットを出した際の回路や写真画像が見つかりましたので今回の該当部分をメールでお送りします。
投稿: 初恋天使:管理人 | 2018年12月31日 (月) 15時45分