失われた音3 2A3と300B
イーケイジャパン、エレキットの新製品TU-8233で差替えられるこの2つの真空管。
プレス資料では真空管の女王様と王様と表現されている。いろいろない意味での復刻があって現在入手できる真空管。
左2A3(RCA) 右WE300B(ウェスタン)
どちらも3極直熱出力管だが生まれも育ちも、その経歴、住んだ世界も違う真空管である。
(オーム社 回路集低周波増幅器 1956年)
2A3はRCA社1933年のオリジナルで、日本でも古くから音の良い真空管として家庭、マニアに使われ、
1960年代中ごろ真空管アンプ時代の後期にも唯一純粋な3極管として珍重され、国産では1965年ころ東芝が販売をやめている。
自分が知ったのはその直後で、アンプを組もうとした1960年代末の秋葉原にはもう無かった。
(ラジオ技術1970年1月号)
そのころ300BはWE300Bとして、日本では入手のできない真空管だった。
ラジオ技術1970年1月の浅野勇さん記事にもあるように完全に業務系のもので保守用で有り、アメリカに買いに行くか1グロスで輸入するしかなかった。価格は1本2万円くらい、ラーメン一杯が50円のころであろうか。
今でもビンテージと純系復刻は大変高価であり、量産復刻が市場にあふれ便利な時代になったけれど昔のものとは構造も違い、
今簡単に入手できるものは過去のものと比較すると音は違った印象である。1960年代当時より思いのある自分としてはこんな時代が来るとは・・・と思っています。
真空管の宝箱
http://mtomisan.my.coocan.jp/page058.html
各種真空管聞き比べ
http://mtomisan.my.coocan.jp/page122.html
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手許のMJバックナンバーを調べたら78年11月号にはマルコーニの2A3が¥2000と言う広告。しかし、82年2月号ではRCA 2A3がペア¥14000の広告。
この頃から枯渇してきたんでしょうか?(学生時代にはあまり見かけた記憶がありませんね)
最近KenRadの6B4Gwo入手し、シングルアンプをでっち上げました。管種、トランス等取り替えて遊ぶ予定で、FaceBookで報告していきますのでご興味が有ればご一読を。
投稿: dancho | 2012年11月12日 (月) 23時29分
書き込み、情報ありがとうございます。
高騰は需要と供給の関係もあるかもしれませんね。
自分は2A3の電畜時代の名声はリアルタイムでは知らず最初は伝説的で、愛蔵書から絶対的な3極管崇拝となり、浅野勇氏の著書で近代3極管は別ものを知って2A3にあこがれた訳です。1970年代前半は、米国管、欧州管への人気も高かったと思いますが以後出力管全般へ広がり、2A3の趣味性高い音にも人気が出たのはそのころと思います。以後、中国管のデリバリーが始まると、オリジナル・ビンテージへ見直し人気、価格高騰というのは他の例でも起こることが多かったと思います。
投稿: 初恋天使 | 2012年11月23日 (金) 11時16分