実験アンプで未試聴管を聴く 5998A
電圧レギュレーター管5998はオーディオ用としての活用も有名な真空管です。
貴重で高価な3極オーディオ出力管の代用として使われた経歴が有る訳です。

差し替え変換アダプターは以前製作したものを使用

とりあえず低めの電圧、電流も無理のないところで
Eb=200V、Rk=560Ω、RL=2.5KΩ、Ib=55mAで聴いてみました。

電圧制御管のいかつい外観、内部からは想像できない音がします。
低音は管のインピーダンスが低いこともあってゆったりした十分な音がします。
中高音も綺麗でやさしい3極管らしいものです。シンバルの響きには少しザラっぽさが残りますが基本は繊細な音です。
ライブ感のある音が楽しめます。若干のNFなどをかけてアンプを仕上げれば良いものができるのではないでしょうか。ただしレギュレータ管は扱いによって発振・暴走がありますので注意は必要と思います。前日250V前後カソード抵抗を750Ωでも試聴しましたが、音のバランスとしてはそちらの方が軽いながらも一般的な音に感じましたが、好みもあるかもしれません。
実験アンプの良さは、このように1つの球でもいくつかの条件を設定して聞けるところにもあります。自分は球本来の音を聴くことを目的にしていますのでトータルNFはかけないようにしています。したがって球種や条件の違いによる音質は顕著です。

バイアス抵抗は6段切り替えでしたがスイッチをさらに設け、組み合わせで10段、より細かな設定ができるようになりました。5889Aの場合はアダプターに抵抗が入っておりそれがプラスされます。

ヒーター電源入力、左右直列できる入力も設けました。

電源はレギュレーターですが始動時はシリーズに抵抗を入れてヒートアップし、真空管のヒーターの抵抗が上がってから抵抗をショートして本来の電圧がかかるようにしています。
このようにしないと大容量管のヒーターでは保護回路が働いてしまいます。
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