実験アンプで著名管を聴く 夏休み試聴会報告(後編)
さてヨーロッパ管に引き続きまして・・・
350B
有名なWE300Bは3極管ですが、音の良い5l極・ビーム管の1つと言われるのがWE350Bです。実際に所持しているのはフィリップスブランドです。
Vb=260V 70mA、Rk=180Ω、RL=5kΩ、UL接続で試聴
バランスよく、ピアノは刺激なく自然に鳴る感じ、ドラムの音ではリムの胴のなる音などしっかりとらえている。いわゆる生ぽい感じ、うるおいがあって良いです。
WE349
ラジオ管と思いますが、過去よりオーディーオにも出てくる、いわゆる音の良い球なのでしょう。
Vb=240V、Ib=30mA、Rk=470Ω、RL=5KΩ 3結で試聴
自然な音で小型管ながらよく鳴るという感じです。ドラムの音なども抜けが良く、低域もしまっています。
7591
1960年代、無線と実験の別冊で知りました。後年、6L6のピン接続変えをした球があります。試聴は当時のビンテージ管で、6L6とは音が違います。
Vb=250V、Ib=50mA、Rk=150Ω、RL=5KΩ UL接続
シンバルは生ぽい、電圧感度が高く、スケールは大きくありませんがはぎれよく元気な音がします。
試聴を忘れていたものがあります。
EL33
たぶん6F6クラスの球なのかもしれません。
Vb=240V、Ib=37mA、Rk=150Ω、RL=5KΩ UL接続
シンバルにつやがあって、ピアノは高域が立つ、こぶりながらまとまりはよく、全体に中高域にエネルギーが分布している感じです。
ということで気になっていた一連の球を夏休みに実験アンプで試聴してみたご報告です。
3極管とはやはりビーム管、5極管音質的に違う傾向があります。管のインピーダンスから来るものでしょうが低域の出方と質、高調波特性でしょうが中高域、高域でのキャラクターの違い。3極管を聞いてしまうと、5極管・ビーム管はやはりULか3結で聞きたくなる、以上をまとめてみる、古今先輩たちのやってきたところをトレースすることになる感じがします。
もちろん、負帰還を使って、特性の良いアンプを狙えば、より差は小さくなり、HiFiにはなりますが、個々の管の持つ性格の中には消えてしまうところがあります。
よく、いったいどれが1番なのかという質問をうけますが、好き嫌いはありますが、それぞれに個性が有り、聞く音楽や状況に合わせ選んであげることができるのが、真空管にとっても、聴く側にとっても幸せなことのように思います。
今回実験アンプを作って、動作だけでなく、スクリーン電圧や電源電圧、動作電流など変え選べるようにしたことで、それぞれが持つ、音への影響の傾向を知ることができたことは大きな勉強になったと思います。
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