だいたい挿せる球種の試聴は終わったと思っていましたが残っていました。
6n3c
パッケージからはソ連時代のもののようですが、6L6GC互換と言われている球です。
評判ではナチュラルというのがあるようですが、ソースは選ばないながら、やや粗く乾いたサウンドです。測った値からは低域はややしまっているのもうなづけます。これは球の素性(内部インピーダンス)でスピーカーのようにエージングで大きく変わるものではないと思います。もちろん諸特性は変化しますのでそれにより音のバランスは変わらない訳ではありませんが経験からは聴きなれる・音の性格把握が身に着くという要素もあると思います。
ULと3結の音質差は思ったより小さく、3結では感度がさがり、やや大人しい感じになります。いやな着色は小さく、値段の安いので普段使いには良い球かもしれません。
3結 -24.5dB入力 1W時 歪2.5% 最大出力 3W(歪10%) DF約10
UL接続 -28dB入力 1W時 歪2.4% 最大出力 4.8W(歪10%) DF約10
6n3c-E

こちらも6L6GC互換と言われている球ですが、ベースだけでなく管構造も違います。
これが世の中でこちらが本当の6L6GC互換と言われる理由でしょう。
音も違っていて、しっかりした中低域でライブ感があります。
3結にするとやや音が引っ込んだ分、やや広がりは出て雰囲気は出てきますが、
その分、熱や芯と言ったものは少なくなる感じです。
3結 -25.5dB入力 1W時 歪2.3% 最大出力 3.4W(歪10%) DF約12
UL接続 -29dB入力 1W時 歪2% 最大出力 6W(歪10%) DF約4.5
5881WXT
本来はKT-88などより、下クラスの規格の球としての製作記事を記憶します。
内部構造は先ほど6c3-Eに似ていまし、測定値からも同じ種類の球ではないかと思われます
音質の傾向も同じですが中低域でクセが感じられます。これは組み合わせるスピーカーで良否が出る感じがします。
3結 -25dB入力 1W時 歪2.2% 最大出力 3.5W(歪10%) DF約12
UL接続 -29dB入力 1W時 歪2% 最大出力 6W(歪10%) DF約6
5881/6L6WGC
こちらが6L6系との互換が名前とし出ています。
構造は似た感じですが内部インピーダンスなどからは一連のものとは同一ではないようです。
ULでは高域の付帯音が気になり、3結では低域がボン付きますが、これは組み合わせるスピーカーで
やはり違いが出てくるところです。

3結 -25dB入力 1W時 歪2.5% 最大出力 3.4W(歪10%) DF約5
UL接続 -28dB入力 1W時 歪2.6% 最大出力 5.9W(歪10%) DF約5
7027
こちらは一連のロシア球とは違い、RCAのビンテージ球で、内部も違った形です。
本来6L6GCには置き換えらそうですが、TU-8200に関してはそのまま差替えができない
ピン配置です。あまり書かれることがないのですが、エレキットのTU-879に始まる
出力管差替えアンプはEL34を挿せるように1ピンをカソードに接続しています。
したがって6L6似のピン配置でも1ピンが他電極(カソード、第3グリッド以外)に接続されている球はそのまま挿せません。
今回使用したアダプターはこの1ピンの接続を切るためのものです。
試聴結果は3結、ULともしっかりした音で、バランスも良く安定したものです。
3結 -25dB入力 1W時 歪3.2% 最大出力 3.4W(歪10%) DF約20
UL接続 -28.5dB入力 1W時 歪2.5% 最大出力 5.8W(歪10%) DF約10
ということで、一連の挿しかえ試聴もだいたい管種をカバーしたと思います。
あとはKT-88、KT-66、EL34、6L6GCと言った代表管の現行管の試聴(ビンテージ管・オリジナル管は試聴済)となります。

左より、4本がロシア管で中3本は似ている、右は7027と変換ソケット
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