TU-8200 出力管挿し換え 350B
TU-8200に標準搭載の出力管6L6属(GC)はビーム管として後続の球を生み出し、また影響しています。
6L6とは兄弟関係、トッププレートの高周波用、送信管用の807もその1つですが、WE350Aという球(ヒーター電力は上)が挿し換え可能であって、その改良版のWE350Bはオーディオ用のオクタルベース球で6L6に比べればプレート損失も30W(GC に相当)となっています。
350Bはかねてよりもっとも音の良いビーム管の1つという話が出てくる球でもあります。 ヒーター電流が1.6Aと大きいため普通は6L6の差替えには難しいのですが、TU-8200ではトランスの規格が開示されていない中、KT-88(ヒーター電流1.6A)の差替えが明示されていますので可能と判断しました。
フィリップス 350B
当時オランダの企業で本来ヨーロッパ管のはずですが商社でもあってパッケージにはUSA産の記載があります。購入時販売店ではWEのOEM品と言われました。したがってWEの半分ほどの価格で購入した記憶があります。(さすがにWE350Bは高価で購入できません。ペアで10~15万円?) まず驚くのはヒートアップの時間です。電流が流れ出すまでに数分かかります。 クラシックは3結が良く、ふくよかな中域、弦や管にはツヤがあります。 JAZZはULが良く、ダイナミックで丸味を持った低域、ドラムスならスネアの響きに独特のこくのような特徴があります。 ロックではディストーションギターは鮮烈です。フュージョン、ポップスなどではピアノ、スチル弦ギター音は前に出て楽しめます。今回の この球やオリジナルのWE350Bを入手することはまず難しいかもしれませんが、是非聞いてほしい球です。
UL接続 -29.5dB入力 1.2%(1W)、7.5W(10%)DF=7
3結 1.4%(1W)、4.4W(10%)DF=16
GD 350B
ゴールデンドラゴンの350B は調べると6L6をベースにしたもののようですが、一見すると形状は似た感じもあります。 当然ですが、ヒートアップなどは普通の6L6と変わりありません。 音は本来の350Bではなく、めりはりはありますが、全体に平坦。これはこれで1つまとまりのある音ですが350Bとして期待するかはオリジナルを知るかどうかでしょう。 ピアノの音はきれいなものがありました。
UL接続 -27.5dB入力1.8%(1W)、6W(10%)
3結 1.5%(1W)、3.5W(10%)
左 フィリップス350B 右 GD 350B
350Bのことを調べ整理していたら、別の発見がありました。 6L6 は最初メタル管であって、それを一般のガラスタイプにした6L6Gは丁度ST管とGT管の中間をした感じスタイルで、6L6GAやGAYなどとしても知られますが 初期タイプでプレート損失19W。TU-8200に挿した場合には規格ぎりぎりか越えてしまう球です。 しかし、6L6系の球を整理していたところ、Tung-SOLの現行管で6L6Gは商社のラベルで6L6G/KT-66となっていました。確かに球の内部を見るとKT-66に似ている感じもします。 プレートの大きさから言えば、KT-66の30Wの損失があっても良さそうです。 ということで試聴してみました。
Tung-SOL 6L6G/KT-66
クラシックでは金管は美しく、雰囲気があり、3結ではバランスが良いです。ULになると特徴が出てきて、中高域にはキャラクターがあってJAZZなどではピアノソロでは音が前に出てくれます。 低域はボン付きますが、高域にはきらりとするものが有り、シンバルの音は切れます。
UL接続 -28dB入力1%(1W)、7W(10%) DF=7
3結 -24.5dB入力0.8%(1W)、3.9W(10%)
左 GD KT-66 中Tung-SOL KT66(6L6G) 右 GD 6L6GC
お時間のある方は串刺しに、これまでの試聴をめぐってみてください。
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