TU-8200に合うスピーカーを試聴する
真空管アンプは現代のアンプに比べるとfレンジは狭いし、歪も確かにデータ上多いのです。だから音の着色大きくてどんなスピーカーを持ってきても大体同じ音がする・・・と思うのは早計です。最新アンプに比べれば制動力の小さい真空管アンプではスピーカーのキャラクターを大きく表現することになりますし、歪が多い真空管アンプの音はスピーカーを通して音色の違いとなって現れるので、組み合わせによる違いは思った以上になる感じがします。
そしてそこに加わるのは音楽という複雑な音源ソースなのですからさらに。
今回、組み立てたバックロードホーン型のキャビネット。吉本キャビネット製のキットで、10cm、8cmのユニット用です。適合ユニットはP800Kほか(P1000Kほか)となっています。
スピーカーユニットはFEシリーズの中でも、ESコーンと布エッジを使ったFE-Enシリーズでさまざまなタイプに合うとカタログにあります。しかし、FFシリーズに比べれば能率が高い分、fレンジは狭い傾向はあるはずです。サイズ的にはFE83EnとFE103Enではかなり音質差はあるように思います。またフォステクスのバックロードホーンとしての設計例は音道の長さは吉本製の2倍以上も長いようです。ということで特性は低域まで伸び切らず手前で盛り上がっています。
試聴結果です。
FE103Enのバックロードホーンはクラシックではよくバランスし前に音が出て広がり
、管も弦にもツヤが出ます。JAZZトリオではライブ感が有り、全般に音が太く、粗い感じになります。ロックでは元気が良く、中域が大きくはり出します。10cmユニットらしいのバランスの良さは特に感じられません。中高域のキャラクターと盛り上がった中低域のためでしょう。
FE83Enのバックロードホーンは小ぶながらクラシックではまろやかでまとまります。JAZZトリオはライブ感はありますが音切れはいま1つ、ロックでも抜けいま1つ足りない感じですがFE103Enほど、強いキャラクターや音圧はないので、相性使い勝手に困るほどではありません。
バックロードホーンはボックスとしての面白味はありますが、このサイズ、設計では試行錯誤が必要だと思いますが、これも好みで、TU-8200との組み合わせでは2つのスピーカーともアールクルーのギターはそれぞれ違う音ではありましたが気持ちよくなってくれました。おそらくフォステクスの設計のように音道を長くし、ホーンのカットオフ周波数を下げることで低域が伸び、中高域とのバランスが取れるのだと思います。しかし小型のスピーカーに長大なホーンをつけて成功するかどうかはユニット次第・・というのは昔、長岡鉄男さんから直接聞いた話です。(雑誌の企画で設計製作したホーンの試聴で)
今回製作した2way、3wayのシステムが思った以上に良くなってくれ、レンジも思った非常に広く、分解能も高い結果との比較のためで、クラスとしては大抵のソースでJBLの4312Mより良くなってくれます。
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