エレキット TU-HP02 レビュー7 クラシック編後篇
ハイレゾでないノーマル音源の試聴です。
ムソルグスキー: 組曲 「展覧会の絵」 14. バーバ・ヤーガの小屋
菅野沖彦Stereo Sound Reference Record
夜想曲(作品9)第1番:ショパン
宮沢明子(ピアノ)
パガニーニの主題による変奏曲:ボタームンド~シュタルケル
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
試聴に使ったオンキョーのヘッドホンは比較的中低音が充実し価格からは高域の質感もあって描写もしっかりしているという評判のようです。
上記ノーマルの試聴音源ではソロから編成まで破たんなく、特に「展覧会の絵」では空気感までを十分出しています。大編成のフォルテシモでも、ピアノやチェロのソロでもヒステリックに響くことなく気持ちよく聞くことができました。特にチェロはつややかで伸びも良く、ヘッドホンを十分ドライブしていると思います。
音の輪郭のはっきりしたソニーのCD-900でも、やはり艶はあって、もともと分離は良いのでいやな音にはなりません。
ピアノの音では2つのヘッドホンで音の性格違いも出てきますが、その中で味のような響きがTU-HP02が目指している真空管サウンドなのかもしれません。CD-900の場合は、真空管サウンドだからと言って切れが鈍ることも曇ることもありません。
ここで性格が見えてきましたので、昨日のハイレゾ音源にもどって再試聴することにしました。ソースは昨日を参考に。今度はCD-900から。
すでに聴きなれてきているので音量を上げ試聴しました。Dレンジの大きさも十分感じられ、Gain Low でツマミ2~3時でも、まだまだダイナミックスの余裕があって楽しく聴くことができます。このあたりはインイヤーと違い、振動板の大きさやヘッドホンのキャビティーの大きさを十分ドライブしている感じです。十分な音量になってくると弦のつややかさはとても綺麗に響きます。真空管サウンドという何か古く、音の分解能よりは押し出しと思いがちですがそんなことはありません。繊細さと言った弱さもなく、音量を上げてもつぶだちも良くつややかさもくずれません。自分のメインシステムをフルパワーで鳴らした時のパワー感につながる音には安心感があります。
オンキョーのIE-FC300で、同様に音量を上げて聴いてみます。弦はさらにつややかで美しいです。これは音源、アンプ、ヘッドホンの組み合わせが良いこともあるのでしょう。パワーを踏み込んだときの破たんがなく、音がのびる感じはまさに3極管アンプが持っている特徴でもあり、そんなところを感じさせてくれます。あらためてこのヘッドホンの充実した中低域をよく出してくれています。ただ余裕感や安心感はCD-900ほどではなく、大音量では無理なくまとまった音という感じはインイヤータイプでは仕方のないところなのかもしれません。
さて、他の音楽ジャンルではどうでしょうか(続く)
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