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とてもうまい字とは言えませんが。こちらは1967年4.5月のものでしょう。
今週末の七夕のあつまりではこの頃の友人たちが来ます。誰に会えるでしょうか?
http://mtomisan.my.coocan.jp/page065.html
毎年七夕に開催する懐かし会の出欠確認をしていてデータ修正がうまく行ってないことが解りました。バックアップデータから比較確認中ですが、前PCも持ち出してこの2日、過去データをさかのぼり確認中です。もとはと言えば今回案内メールを出して届かない方がいたり返事のない方が多数あったりで調べはじめました。再案内でかなりの数の返信がありました。忘れていたとか、多くは欠席で返事しなくともよいと思われたのかもしれません。
前々回の同期会でその前の会の郵送案内が来なかったとクレームを受けたのですが、実はその回の案内は自分の担当ではなかったのですが、以後注意しています。そんなクレームをする方に限って転居しても案内が来なかったり、こうしたメールにも返信がないのですから、幹事役というのは本当に損な役回りです。以前メール返信を徹底しましたが、その時も嫌がられたりでなかなかこちらの気持ちは届かないものです。
それでも、懐かしい顔が集まると思えば苦労は報われるものです。その会に残念ながら来られないという方の返事には会を設定するこちらは大変申し訳なく思います。
ということでまだ返信忘れの同級生の方は案内に返信ください。アドレスが有効なことの確認なります。100件近くの管理ですが、退職転職で変更されたりや迷惑メール対策されたりで結構大変なんで、1、2行でも返信を書きたくない、メールのやり取りしたくない方は空メールで良いので。それだけで有難い、助かります。
先日実家で懐かしいものが見つかりました。
1960年代前半~のもの、テスト、ドリル、図画に交じっていろいろなものが出てきました。
袋の下はトリミングしてますが、学友のお店の広告が掲載されていました。
実家のかたづけで古いカタログが出てきました。
1965年が2冊あるのは失ったと思って後年入手したため。1963年が切手をはじめた年ではなく、このカタログは古くなったカタログを従兄から貰ったもの。これで切手蒐集がはじまったと思います。先日60年代の取材を雑誌社から受けたときにそんな話題もありました。
http://mtomisan.my.coocan.jp/page088.html
http://mtomisan.my.coocan.jp/page063.html
そんなこともあって持っていた当時の切手を整理しつつ、足りないものをネットで入手したりしています。
懐かしいものを入手しました。ソニーのオーディオ系の機関紙で、1970年代半ばに刊行されていました。オークションで入手しましたが、表紙に覚えのあった1冊入手が金額的に限界でした。
オーディオファン向けに製品の新技術を紹介するものでしたが、自分は掲載されていた録音技術テクニックを楽しみにしていた記憶があります。この号はスピーカ特集で表紙は宇宙感覚。オーディオ的には新素材時代で、この表紙は炭素繊維の話です。この時期はベリリウム、チタンと言った金属、デバイスではV-FETなどいろいろと技術話はあったころです。
そしてこの号にはなぜかファンクションジェネレータの製作記事がありました。この機関紙を読む層にはまず無理の話であったとは思いますが、3号前から予告があり、テスター1つで作れるということで楽しみにしていたと思います。
ところがこの記事を見た記憶があるのですが、作った覚えもなく、以後の印象が全くありません。構成は741だけでなく709と言ったOPアンプを使った回路で、1975年というと大学2年の自分には回路は追えてもまだあまりよく解らなかったのでしょう。今見れば簡単に見て解る回路ですが、それが時間の流れというものなんでしょう。
この号だけで解らないのですがどうも録音の校正用の発振器を作るということだったようです。部品表や簡単な作り方の解説はありますが、はたして何人が作ったか作れたか。町のパーツ屋で入手可能とありますが、部品の中には温度補正用の感温素子もあって、秋葉原でも簡単でなかったはずと思います。こうした全く製作ものでない本に記事が出るということがあった時代でもありました。
今オーディオ系のキットとして人気はエレキットにありますが、1970~1980年はラックスキットが人気であったと思います。最近そのカタログを入手しました。
カタログは初代のものを持ってましたが回路図も出ていて大変参考になりました。この2代目カタログは初代に100頁以上追加されているということで、入手してみて理由が解りました。
まさにキット全盛で、当時の様子が見てとれる内容。キットだけでなく当時の様子が誌面にあふれています。座談会や女子のキット製作、ユーザー訪問や自作コンテストなど、思いつくところが全て誌面化されているのは、まさにオーディオクラフトの絶頂・・・しかし1981年刊なのですでに下り坂なのかも・・
この直後、デジタル化の波で一気のオーディオの方向性は変わり、趣味楽しみの内容も変貌したように思います。カタログながら市場の様子が多く網羅され貴重な資料でしょう。
しかしオーディオクラフトにはタンゴトランスを使ったパワーアンプが出ていたり、シンセ自作(SN76477なのでゲーム系の音でしょうが、外観が本格モジュールシンセぽいので、普通の人は大変なものに見えたと・・)メーカーにはなにか混沌とした行方暗示が見えます・・
一方で本格プリ自作は上杉佳郎さんの80選から回路を参考にしたらしい自作もあるのですが誌面には「上形回路」(杉の誤り?)と関わる方の層の広さを感じさせる、それがブームであったのかもしれません。
ユーザー訪問では、自作から始めた方がふたたび通るキットの道は、今と共通するところもあり、また部品入手ではまた状況の違う昨今を感ずるところでもあります。
カタログ本来の部分では沢山の機種が掲載されているようでいても歴代では30機種は掲載されていなくて、ネットで未掲載の機種情報も拾って、自分で補間カタログをつくりました。
ラックスのキットと言えばトランスが優秀であった60年代からありましたが、オーディオ専業の硬いメーカーから後には女性家族路線まで追うメーカーのその後の行方は長岡鉄男さんの著作にも書かれるところでもあります。ラックスはやはり優秀なトランスで培った技術とアンプづくりが売りの会社で、今に至ってもそれは間違いなかったのではと感じています。
多様な試み、広い層にアプローチするこのカタログは、より広い層を狙って作られたのかもしれませんが、オーディオの歴史とその誌面の状況を冷静に見ると、正直発行年代よ誌面より少し遅い感じで、このカタログはキットが沢山売れた資金で出来た感じもあります。1970年代後半のオーディオブームではいろいろな社会現象があり、各社のショールームが整備されたり、一般雑誌にオーディオ頁があったり、クラフトもその1つであったと思います。
http://mtomisan.my.coocan.jp/page124.html
このカタログももっと提案的に2,3年早く発売していればもっとキット販売効果も大きかったのかもしれません。事実、自分でさえ、こうしたカタログ内容で発売されていたことを今知るというところです。製品情報もありますが、当時を知る貴重な資料と思います。
ダークダックスのまんがさんの訃報のニュースがTVラジオから流れています。ダークダックスと言えば「みんなのうた」とは切手も切れない
ダークダックスで放送された歌唱曲は・・・
トム・ピリビ(1961年版)×
ゴンピンピンの歌×1961
掲示板のうた△1962
あすなろ△1962
アップアップアップリケ△1962
クラリネットこわしちゃった○(1963年版)
キャンプ料理△1963年
ミシェルおばさん△1963年
山の音楽家×1964年
いいやつみつけた!×1965年
山男のヨーデル×1965年
早口ことば×1965年
・・・・・
気のいいあひる◎(1967年版)
・・・・・NHKサイトの検索ではなんと25曲!
あれ?気のいいあひる1962年版はというとこれはボニージャックスの歌唱でした。
1990年代1曲、1980年代3曲、1970年代6曲なので、1960年代が断然に多いことになります。
ところで曲名の後ろの記号は、◎カラー、○白黒で映像音声が残っているこの
△音声だけで放送音源が残るものです。
60年代でも1962-1963年は特異点で音声が残っています。
これは近年NHKで確認アーカイブされたものですが、当時番組を制作されていた志村建世さんが提供されたものです。担当された2年、お子さんのためにコピーを持ち帰られたことでこの時期だけは貴重な文化、音源の喪失が免れました。
ダークダックスの放送された歌声も失われているのは大変残念なことです。今日は残された音源を聴き、まんがさんを偲ぼうと思います
懐かしのみんなのうた
http://mtomisan.my.coocan.jp/page064.html
PD曲のピアノ伴奏も再生できます。
こんな本が出ていました。もう5年ほど前の本なので、掲載のキットは現状と違う部分もあるかもしれません。ライターが章立てで書いている構成ですが、実際に組立たからこその情報もあります。エレキジャックの編集部からの発行ですが、このところ3年ほどはエレキジャックは発刊されていないはず、エレキジャック創刊は2007年で、「創刊に当たって」を掲載していただきました。
http://mtomisan.my.coocan.jp/page059.html
の文章は掲載原稿の原文です。
昨日まではWin10を7に戻そうとして、Win10で初期リセットしてしまい、ワードエクセルはおろかメールも読み書きできなくなってしまった方の対応でかなりの時間を使いました。ご子息がご存じなく、Win7に戻ると思ってしたことが、32日以降でアプリのほとんどが削除されファイル化されているので戻し方を教えてというものでしたが、それは目録で実体ではありませんので戻すことはできません・・で納得していただきましたが、Win7時にはいろいろな設定がされていて・・それが結構厄介でした。抜かれたアプリの当然Win10版は持っておらず、その準備、以前のものもインストール済みで購入されたのか、ディスク類は残っておらず、当然リカバリーしておらず・・・Win10移行時はWin7で仕込んだ設定が引き継がれたようですがそれもリセットされ非常に使いにくいものになってしまったようで、パソコンの買い替えまで考えた様子。ひとつづつお聞きし調べながらの設定となりました。エクセルは2016を購入しましたが、今はDL版で、MSのアカウントもどうされたかもわからず、とりあえずヨドバシのサイトから代理購入してインストールしました・・・ということで何とかご本人に使っていただけるところまで来ました。
CV-1052/EL-32、評判が良いというのでオークションで入手、聴いてみました。
なかなか良い音なので、試聴大会になりました。お相手はプスバン:300B(TU-8300)、ソヴテック:2A3(HC-2)、NEC:6C-A10(TU-879)といずれも3極管シングル強敵ですので、CV-1052/VT-52/EL-32も3結で鳴らします。
CV-1052/EL-32をTU-8200に挿すには手持ちの6BQ6GTのアダプタを改造しました。10分工作、こちらがトップグリッド。ラジオ球らしいですね。変換コネクタだけではTU-8200の自動バイアス回路により電流が流れすぎてしまうので工夫は必要です。
MULLARD ムラードの球でしたがストレートな形状の球でした。小さな球ですが自作の3ウェイスピーカで雄大な音がします。中高音はエレガントというかチャーミングという言うか、3結はなかなかの音で歴代の名球と結構はりあってくれます。
今回ELシリーズの源流に近い球を試聴した訳ですが、やはり球の素性というのは、シングルアンプ、特に3極管アンプでは大きな位置を占めます。特に自分のように無帰還や帰還量を下げたアンプでは顕著に思います。そんな意味で比較を歴代の3極管、2A3、300B、50C-A10(アンプのヒーター条件の関係で6C-A10)で試聴してみました。当然低域の質も違いますが、中高音の音色はそれぞれ違います。
自分が一時期、楽器の開発をやっていたためでしょうが、こうしたアンプは楽器のように同じ音楽もそれぞれの音色で奏でるように思います。もちろんオーディオには原音再生という考え方もあって、機器機材は無色透明という理想もあるのですが、スピーカや部屋・相互の関係などで独特の音色を持ってしまう以上、また大抵の方とって原音や想定される出音を知らないという事実もあって(自分で録音制作や演奏される楽器を作ると感じることでしょうが)
そう簡単なものでもないですし、ましてそこから満足できる音がするのか・・・ということもあったりします。
このところ研究中の上杉佳郎氏の著書に残されたアンプ群を見るとEL34の起用が多いことに気付きます。PPやシングル、パラシングルと1つの管種でいくつものアンプが作られています。自分もEL34は10代後半から50年近く付き合いのある球で珍しくシングルだけでなくPPも各種やったことのある球でいずれも3結であったことは偶然ですが共通するところです。管球王国のムック上巻には24台のパワーアンプが掲載されますが、EL34の次が300Bが多く、いじりがいのある球なのだと思います。
操作解説活用DVDは今月3種を出し、ついに50種となりました。このうち2種はEDIUSで他48種はDV-7です、ということでサイトの更新、カタログがダウンロードできます。
詳細はこちらからどうぞ
DV-7活用DVD
http://mtomisan.my.coocan.jp/page032.html
過去タイトルのカタログも最新版に更新しております。
昔、シングルアンプと言えば入門用、学生の電気工作の色彩が強く、マニアとしては管種を限って(たいていは3極管)フルレンジスピーカやマルチアンプの中高音用スピーカ(たいていはホーン型)というものでした。もちろん300Bは特例というところだったでしょう。
10年ほど前になりますが、雑誌管球王国のマイハンディークラフト総集編的な上杉佳郎さんのムックを見てのお話はこのところしているところです。ここでは300Bを除くとKT-88やEL34などドライブのし易い5極管・ビーム管で、ドライブ回路もSRPPが複数あります。記事には300Bシングルでもこの方式のものがありましたが、自分もいろいろやってアドバンスのアンプ(SRPPドライブ)を利用し、直熱3極管の万能アンプとしました。SRPP回路は学生のころ(40年前?)チャンデバで使ったのが自分としてははじめてでした。
先日、実習セミナーをやったばかりでしたが、その翌日違うキットの質問が出版社から来ました。内容は動作確認の方法。機能の多いエフェクタのキットでしたのご苦労されたようです。
自分では、回路の試作火入れはこの何十年(アマ時代~プロ時代~?時代、そして今)やってきているので当たり前で自然にやっていることなのですが。
キットが一番違うのは動くことは確実であることでしょう。試作には確かに動く動かないやそこから本来の性能を得て行くところもありますが、キットの場合は誤部品、誤配線がなければ基本動くというのがあります。
エフェクタの場合少し違うのは、確認をするためのソースの条件や、多数のボリウムやスイッチ、それぞれが持つ意味働きがあってその位置や、電圧や波形で見て動作を確定するためには、回路のどこで確認したらよいか・・・これは動作や仕様が十分理解ができ、その回路の知識がないと確かに難しい、しかしそのあたりが解れば簡単に実は測定器なしで耳でも簡単な確認ができたりします。
今回はそうした背景なしでも、測定器が扱えれば、という条件で方法をお知らせしました。
確認といってもOK、NGではなく、NGならどこがいけないかの追及ができるような方法にしました。
小中学時代同級でアートフラワーをやっている方の作家展へ。七夕会の出欠のご返事を丁寧な封書でいただき、案内状が同封されていました。場所は東急吉祥寺で15日まで開催。
大変丁寧な作りの作品で会場の活気ある様子もお見せしたいところですが、デパート内は撮影禁止、購入させていただいた作品をお見せしましょう。
自信作はすでにすぐに売れてしまったということで、見ることはできず残念でしたが、何十年も越えた今、旧友たちもみなそれぞれ、こうして声かけいただき作品に触れることができるのも幸いに思います。ご家庭のお仕事や介護を終わった後の深夜が作業時間で、1日何時間も睡眠がとれないという中で作品です。とてもこれ以上「頑張ってください」とは言えず、当然七夕会へは来て頂けませんが、こうして元気にお話を聴けたことが何より幸いです。
10年ほど前に出て今はAでも当初の3倍くらいの値段でとても手の出ない本でしたが、定価より少し高い値段で入手できました。
このところ話題にしていたのは1973年発刊の復刻本でした。
シングルアンプは40アイテム中、7アイテムで、いずれも3極管。6G-A4の傍熱型を除けばいずれも3極管で、45、12A、211A各2アイテムづつ。当時入手できたはずの3極管よりは古典的な球が選ばれ、それゆえ純3極管なのは上杉氏らしいところだったのかもしれません。6R-A8や50C-A10などの球が入手できた頃ですが。
さて話題を近年に戻して管球王国での制作の総集編である今回入手した本ではどんな球が得ばれているかが見られるところが興味深いところです。
結論から感ずるのは時代によって変わる感じがします。
60年代、まだ真空管アンプ全盛の頃、一部を除けば出力や歪からシングルアンプは入門用か簡易型のアンプとされることが多かったように思います。出力管でも、6AR5ならラジオ球、6BM8やその仲間もテレビ球、6V6、6L6 は小型楽器アンプの球的な感じを受けていました。6BQ5はPPでメーカーのローコストアンプと言ったパターンの中では、そのころもう入手難であった2A3などは直熱管でもあり、ドライブ電圧も十分必要で使いづらいながらもら過去良い音の球・・・すでに秋葉の店頭でも見る機会が少なくなっていました。当時シングルアンプで唯一認められたのはWE300B(他の300Bの話はまず聴くことはなく)で、それも天上の球的なもので、戦後間もなくなら進駐軍のジャンクにあったなどいろいろな記事で読む球でもありました。70年代は真空管輸入商社や、記事にも海外の新旧の球が並びましたが、希少な球以外シングルアンプはやはり入門製作とみられたものでした。その頃にはもう3極傍熱型出力管の品種は非常に少なくなっており、それは今日つながるところで、各社300Bなどが登場する90年代以降は、80年代のオーディオのデジタル化によるアナログの位置づけ変化があったように思います。
今日では、5極ビーム管のシングルアンプも十分なオーディオとして迎えられる時代で、70年代後半のKT族か、EL34/6CA7の3結シングルアンプでもなければ快く迎えられない・・・というのからは大きな変化だと思います。上杉佳郎氏製作の80選を見てもシングルアンプは少ないのですが、氏手持ちの45でシングルアンプを作る記事では6L6の3結シングルも良いものがあると言っているようで、今エレキットのTU-8200を3結モードで聴くときには氏の40年以上前のそんな記事を思い出し、時代の流れと変わらないものを感じたりします。
エレキットのアンプが出力管差し替えのできるアンプもいくつかあり、電圧電流監視とソケットアダプターでさらに多くの品種を聴くことができます。
大分前に出ていた本で、月刊誌に連載されていたものをまとめたものと聞いてはいたのですが、巻頭に1960年代懐かしいNゲージの黎明期の広告が掲載されていることを知り見たくなりました。
考えてみるとその頃の月刊誌はTMSこと鉄道模型趣味しかなかった訳で、つまり他誌の誌面が掲載されるということになります。確かに覚えのある懐かしいものでした。
機芸出版が掲載許諾しなければこうした企画はできない訳で自身が出さないのも不思議な感じもしないでもありません。
考古学とは大げさと思われるかたもいるでしょうが、それはそんなことはなく的を得ており、また内容を良いものにしていると思います。というのも著者は黎明期を実際に知る世代ではなく、我々のような「懐古」ではないからこそ冷静でいて、正確にデータを積み上げ歴史を掘り起こせていること、これは大きな力であり著者のひたむきな姿勢が大切な要素となっているように思います。
冒頭の黎明期のTMS広告を除いて大半は自社月刊誌から一部カラー化してのページ化とのことですが、この月刊誌は久しく購読しないのでよく解りません。版元は今ではこの分野で有名なN出版ですが、以前自分の模型作品を無断掲載し、その問題でのご連絡はいただいたものの、視点の軽さと誠意をもった説明謝罪がないことから、残念ながらこの会社とは以後一切のお付き合いをお断りしています。
月刊トランジスタ技術で企画するディストーション・キットを組み立てる1日セミナーです。丸腰でなにも持たずに参加でOK。セミナー代にはキットの価格入りで、ハンダ講習から詳細組み立ての解説お手伝いは私がさせていただきます。工具・測定器などは会場のものが自由に使え、チェックや測定は私がやりますので、前回も全員の方:8名がご自身で完成、オリジナルサウンドをお持ち帰りになりました。組み立ては基板+線材手配線で、意外にも、後者が皆さん得意でお好きということが前回解りました。キット4ポッドのユーザーの自由な設計変更ができるものですが、今回は2ポッドで完成して、ご自宅で自由なアレンジができます。このあたりの音づくりも解説させていただきます。
このキットは自分がトランジスタ技術2015年8月号特集で設計した記事からキット製品化したもので、改造実験オリジナル化へを重視したところが売りです。製作の難しいところや勘所は十分解説しますのでご安心ください。昨年12月開催に引き続き行われるものです。
6月12日(日)東京・巣鴨CQ出版セミナールームにて
(前回は広島、名古屋など遠方からもご来場がありました)
予約制で、残数はまだあるようですのでお早目にお問い合わせを
エレキットのTU-8300では300BもしくはKT-88など3結のシングルアンプ(自分の場合はトランスを乗せ換えUL接続も切り替え可能に改造)、TU-8200ではビーム5極/UL/3結の動作が選べて(自分の場合はメーカーが禁じているスイッチ切り替え)アダプターを使用して傍熱型の3極/3接シングルアンプとして動作するという具合で、大半はシングルアンプばかりという状態になっています。
このところ調べている上杉佳郎氏の昔の著作では3極管シングルアンプでは6GA4、45、211、300Bが出力管で、6G-A4以外は直熱管アンプとなっています。6G-A4のアンプは無帰還、2段アンプで前段とで歪打ち消しを狙い、そのためカソード抵抗を選び測定がされているところは興味深いところです。3極管シングルアンプで多い2次歪は調和性があるということで、「かえって聴き易い、味のある音になる」と記事では言っています。
自分も無帰還アンプは好きで、それは球の音の違いや素直で快活な音が聞けることがあります。(もちろん原音再生という話もありますが、音楽制作に関わったり、楽器自身を作った経験から感ずるのは、はたして完全なる原音というものが存在するか・・・、当然どこかの段階で電気→音響となり耳の届く段階があり、制作者がそのあたりをどう考えるかもあったりします。自然楽器の演奏であってもマイク収録していますし、それをモニターする部屋の音響特性もあって再生される音楽がやはり存在するように思います。)
シングルアンプ製品が多くなった昨今ですが、上杉佳郎さんの1970年前後の著作を見ても、5極管/ビーム管のカテゴリでは6L6、6V6のシングルアンプがわずかを見ることができます。その内容はMLFや直結の回路の方が著作の主体というところです。製作記事でも今のようにハイブリッドなど回路が凝れる時代でなかったためか、単なるストレートなシングルアンプでは設計著作発表としての面白さもあまりないということもあったのでしょうか。シングルアンプが少ないのも、出力や歪の点で意識をしたため少ないもしれません。確かに上記記事ではローサーなど高能率フルレンジ用のアンプとしてというのがあったと思います。時期的にはARなど、低能率ながらワイドレンジというブックシェルフタイプのスピーカーシステムが台頭してきたところでもあったと思います。
出力の点では6CA7や6GB8のシングルについて記事文章で触れていますが、電流の大きさ、電源の規模がシングルとしては大きくPPとあまり変わらないと、面白みがないように書かれていたと思いますが、一方で当時こうした大型管シングルに向いた出力トランスが少なく、ラックスのSS5Bシリーズくらいだったこともあったのだと思います。
そのあたりでも、その後出力トランスの改良はシングルアンプの発展で大きく影響があったと思います。
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