シングルアンプを考える
シングルアンプ製品が多くなった昨今ですが、上杉佳郎さんの1970年前後の著作を見ても、5極管/ビーム管のカテゴリでは6L6、6V6のシングルアンプがわずかを見ることができます。その内容はMLFや直結の回路の方が著作の主体というところです。製作記事でも今のようにハイブリッドなど回路が凝れる時代でなかったためか、単なるストレートなシングルアンプでは設計著作発表としての面白さもあまりないということもあったのでしょうか。シングルアンプが少ないのも、出力や歪の点で意識をしたため少ないもしれません。確かに上記記事ではローサーなど高能率フルレンジ用のアンプとしてというのがあったと思います。時期的にはARなど、低能率ながらワイドレンジというブックシェルフタイプのスピーカーシステムが台頭してきたところでもあったと思います。
出力の点では6CA7や6GB8のシングルについて記事文章で触れていますが、電流の大きさ、電源の規模がシングルとしては大きくPPとあまり変わらないと、面白みがないように書かれていたと思いますが、一方で当時こうした大型管シングルに向いた出力トランスが少なく、ラックスのSS5Bシリーズくらいだったこともあったのだと思います。
そのあたりでも、その後出力トランスの改良はシングルアンプの発展で大きく影響があったと思います。
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