シングルアンプと出力管の評価
結論から感ずるのは時代によって変わる感じがします。
60年代、まだ真空管アンプ全盛の頃、一部を除けば出力や歪からシングルアンプは入門用か簡易型のアンプとされることが多かったように思います。出力管でも、6AR5ならラジオ球、6BM8やその仲間もテレビ球、6V6、6L6 は小型楽器アンプの球的な感じを受けていました。6BQ5はPPでメーカーのローコストアンプと言ったパターンの中では、そのころもう入手難であった2A3などは直熱管でもあり、ドライブ電圧も十分必要で使いづらいながらもら過去良い音の球・・・すでに秋葉の店頭でも見る機会が少なくなっていました。当時シングルアンプで唯一認められたのはWE300B(他の300Bの話はまず聴くことはなく)で、それも天上の球的なもので、戦後間もなくなら進駐軍のジャンクにあったなどいろいろな記事で読む球でもありました。70年代は真空管輸入商社や、記事にも海外の新旧の球が並びましたが、希少な球以外シングルアンプはやはり入門製作とみられたものでした。その頃にはもう3極傍熱型出力管の品種は非常に少なくなっており、それは今日つながるところで、各社300Bなどが登場する90年代以降は、80年代のオーディオのデジタル化によるアナログの位置づけ変化があったように思います。
今日では、5極ビーム管のシングルアンプも十分なオーディオとして迎えられる時代で、70年代後半のKT族か、EL34/6CA7の3結シングルアンプでもなければ快く迎えられない・・・というのからは大きな変化だと思います。上杉佳郎氏製作の80選を見てもシングルアンプは少ないのですが、氏手持ちの45でシングルアンプを作る記事では6L6の3結シングルも良いものがあると言っているようで、今エレキットのTU-8200を3結モードで聴くときには氏の40年以上前のそんな記事を思い出し、時代の流れと変わらないものを感じたりします。
エレキットのアンプが出力管差し替えのできるアンプもいくつかあり、電圧電流監視とソケットアダプターでさらに多くの品種を聴くことができます。
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