キットとしてのTU-8340と自作アンプの価格
昔は完成品が高いから自作する(するしかない)というのがありましたが、多くはありませんが完成品・キットが用意されたものもありました。今は販売店で、プラス価格でキットの組立完成オプションを付けているところもあります。
電子立国日本などと言っていた頃には、キットから慣れしたしんで技術を身につけるというのもありました。初心者には部品集めや、ケースの穴あけなど高いハードルをキットは簡単にクリアしてくれるし、完成すればメーカー品さながらのデザインとなって恰好が良いというのもあったと思います。
近年のエレキットの真空管パワーアンプキットの価格を振り返ってみると、2~3万、5万円前後、8~9万円といったところでクラスが有って、いずれもシングルアンプでした。価格の違いは出力管の種類や出力トランスなどによるところが大きいと思います。以前は2~5万円といったエレキットのアンプの印象も、最近は少し変わってきました。5万円以上のものも多くなってきました。
昔、1万円や2万円で真空管パワーアンプを自作するという雑誌企画もあったと思いますが、以前であれば3~4万円あれば自作でもそれなりのアンプもできる・・・特に真空管が以前よりは安く安定したものが得られるようになったことは大きいと思います。半面老舗人気トランスメーカーの閉業もあって、過去の雑誌記事のコピーも難しくなったなども有り、中級クラス以上のキットの役割価値も変わってきた感じがします。
そうした時に10万円を越えるエレキットの真空管アンプキットの登場、市場の反応はどうでしょうか。エレキットのアンプの人気を過去見てみると、音づくりに参加できるキットが良いところがあるように感じますので、今回のTU-8340は出力管の差し替えと動作接続の切り替えというバリエーションがそれに相当するのでしょう。
もちろんこの価格もここまで出さなければプッシュプルアンプが出来ないのか・・・という疑問も出てくるでしょうが、EL34クラスのPPで、それなりのトランスを使うとなるとそう安くは出来ない・・・この春あたりから大型管PPの実験アンプを考えていた小生としては時期同じくして出てきたキットということなります。ただ改造や部品交換では、同価格帯のサンバレーのキットの方が手配線でしやすいのかということもあり、比較迷われる方もいるのではないでしょうか。後はTU-8340にどこまでの差し替え力があるか、おなじみの球が挿し替え例に出ていますが、それ以上はどうか・・・というところです。プッシュプルアンプで課題となる調整の問題のクリアは今回のキットで注目すべきところです。
過去のキットでの改造挿し替え例などこちらから
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